lesson, ピアノ練習方法, レッスン(教える), 雑記

弾けないときのコツ

時々、何度もさらっているのに「あれ、弾けない」ということがあります。
そういうときは一旦楽譜から目を外し(一時的に覚えるということですが大抵1,2小節程度なので)
手の動きをよく確認しながらさらうと、急に脳と指がリンクして弾けるようになったりします。
方法のひとつとして利用してみてください。
他にも視点を変えていろいろな角度から切り込むことで、思いがけない効果的な方法が見つかったりします。
弾けないところは100回さらえばいいんだよ、とは某巨匠の名言?ですが、
やみくもに弾き込むのも下手をすると手に負担がかかって痛めたりするので考えもんです。
たいてい時間がないので、できるだけ少ない練習量で弾けるようになる方法を常に模索してます 笑

lesson, ピアノのための身体作り, ピアノ奏法, ピアノ練習方法, レッスン(教える)

ピアノ奏法 – 指を鍛える –

レッスンの項目にもありますように、ピアノを教える上で大事にしていることのひとつに、「個々の身体を最大限に上手に使い、その人が持つ一番良い音」で演奏することを目指しています。私自身が探求しているから、というのもありますが。
たいへん気の長い話で、なかなか一朝一夕で変わることではないのですが(私は自分の師に”まずは”10年、と言われました。。覚悟)これは結果的に身体に負担をかけないため、故障の少なく、将来的に息の長いピアノ演奏を可能にします。(今のところわたしはそうです)
というわけで、拙宅へレッスンに来てくださっているみなさんへも最初にそのようにお話しし、ご理解を頂いております。

上手に脱力をし、柔らかく、響きのある音を目指してお教えしていく訳ですが、ただ脱力しただけではふにゃふにゃの音になってしまうので、それを支えるのが、10本の指です。私もまだまだ全てが均一ではないですが、指を強くするために、師匠に教えて頂いた方法をお伝えします。

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サンプルは相変わらずウチの母(年齢非公開 趣味ピアノ歴X年)です。

ピアノの鍵盤を使う方法と、鍵盤の蓋を使う方法2パターンやってもらいましたが、音が出ない蓋バージョンの方が出している音にとらわれなくて分かりやすい、と言ったのでピアノの鍵盤の蓋を使っている画像を使っています。蓋を使う場合は、立った方がやりやすいです。
実際はアップライトピアノの場合が多いかと思いますので、その場合は座って、鍵盤を使ってください。
椅子にしっかりと座って(背筋と、腹筋意識して)肩から脱力し、何の音でもいいので、上から指を落とします。きちんと脱力できていれば、落とした瞬間に指先以外は鍵盤から下の部分へ落ちるはずです。指だけ残した状態を保持します。
上手に力が抜けない場合は、一度全身にぎゅーっっと力を入れて縮こまったあと、ぱっと緩めると、抜けます。

ぜんぶの指で、地味〜ですが、毎日コツコツやることが大事。
私はこの他にピシュナ教則本も使ってます。間違った練習方法だと手を痛めるので、かならずご相談ください。

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ピアノ奏法 - 手のかたち –

ピアノを弾く時の手のかたち、についてすこし例を載せます。

良く言われるのは「手をまるく」とか「たまごをにぎった手をふわっと開いて」なんて感じですが、

極論を言えば



「良い音が出りゃそれで良い」



気がします 爆
しかしそれでは先生としてあまりに投げやりなので、理想的な手のかたちの一例、をご紹介します。

本日のお手本はウチの母(年齢非公開 趣味ピアノ歴X年)です。
(自分で自分の写真は撮れないので、失礼)

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初見で弾けるくらいの音の少ない練習曲を弾いてもらってます。

右手は理想的なかたちですが、左手は指の付け根から手首へとずいぶん下がっています。手首に負担がかかっている状態です。
恐らく右手より、左手の指が弱いせいだと思います。
姿勢については事前によく注意しており、肩から腰への姿勢を整えて、腰から下へ重心を落として(その他諸々)と意識してもらっているので、腕については脱力している状態です。
せっかく肩から脱力していても、手首で力がストップしてしまい手の先へ伝わりません。この状態だと速い曲はスムーズに弾けませんし、長時間弾くと手首や肘の下辺りが痛くなってくるはずです。

指を強くする方法は、また次の時に。

ピアノまわり, ピアノ奏法, ピアノ練習方法, レッスン(教える)

ピアノのためのメソッド

さて、最近いろんな年齢の生徒さんが来てくださるようになりました。
レッスン時間は短く、お伝えできることも限られております。(私もその場では思い出さないかもしれません笑)

で、

私自身が練習しながら、ああ〜私、普段こういうこと気をつけてるんだなぁ、とか
効率の良い練習方法をお伝えしておきたいなぁ、と思ったことをここで書いていこ、と思い立ちました。
恐らくプロの方でも、他の楽器の方でも有効な方法が、いくつかあるのではないかなと思います。
やるかやらないかはアナタ次第!笑
がんばって実行すればきっと上手になります! (たぶん。。



今日書くのは、メトロノームを使う練習です。(今、うえーって思った人、いますね
私は子どもの頃からメトロノームがきらいでした。
弾いているのと合わないし、だんだんあっちがずれてるような気がしてくるし、そもそも三角メトロノームのカチカチ言う音が苦手なんですよね。。
学生の頃から師匠に言われ、ドイツでついた先生に言われ、そして、メンタルトレーニングの先生からもメトロノーム使いましょうと言われました。
人生でずっとメトロノームから目を背けてきた私がやっと積極的に使うようになったのは、3人目のメンタルトレーニングの先生の「メトロノームは本番での演奏を自由にしてくれる」と言う言葉でした。私にメトロノームを自主的に使わせるように仕向けた先生は本当に偉大です 笑
ちなみに、苦手な音は、そんなに苦手でない音を出すメトロノームを新しく買うことで、解消しました。

さて、そんなメントレの先生から教えて頂いた練習方法です。

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通常より3倍遅いテンポで練習します。写真は二分音符=84となっているので28ということになります。
が、少しずつ上げていっているので、今日は34というテンポを鳴らしっぱなしにしています。
(↓ネットで音源を聞いて選び抜かれたメトロノーム)
メト

これでも始める時は、イライラするくらい遅いです。
法定速度60kmの道を20kmくらいで走る感じでしょうかね。(分からない場合はお母さんに聞いてください 笑
早く曲を仕上げたくて、つい速い練習をしてしまいがちですが(なんだかかっこいいしね!笑)、とてつもないゆっくりのテンポで練習することの効果は、かなりの効率化につながります。速く弾く練習をたくさんやるよりも、ずーっと短い練習時間で弾けるようになります。

さて、ゆっくり練習することで、実にたくさんのことが見えるようになります。これも車の運転とよく似ています。
せっかく通常ではあり得ないテンポで弾いているので、ただただイライラしながらメトロノームに合わせるのではなく、できるだけいろんなことに注意を払ってみると良いです。

・メトロノームとずれないこと(大前提) 耳を研ぎすませて、電子音のピッと、打鍵の底が合うようにします。
・打鍵した瞬間に力を抜くこと(意外と難しい)
・きちんと肩から脱力しているかどうか、時々確認すること(知らないうちに力が入ってます)
・指を常に次の音に素早く移るよう気をつける、目的の鍵盤に移動してから鳴らすこと
  (特に小節をまたぐ時はぼんやりしがちです)
・常に音の向かっている方向性に留意すること(音が上昇するとき、下降するとき、跳躍する時)
・テンポが上がった時と同じ姿勢を意識して弾くこと
・テンポが上がった時をイメージしながら強弱をつけること(一音ずつの調整が必要なのが分かります)
・音を鳴らした瞬間指の力を抜くこと

おまけ
・本番がある時は、その場所をイメージした身体の使い方をすること

もっと正確な拍を取る練習する時は一拍をはんぶんにしたり、3分の一にしたりします。
上のテンポ84の場合であれば、二分音符に対して56、74と言った具合です。
実際にやってみると、とても頭を使います。耳もよく使って、どんな音を出しているかかならず確認しています。
かなりの集中力が必要なので少し練習すると疲れてしまいます。
私はだいたい15〜20分やると、ふう〜となるので、ちょっと休憩orストレッチ、と言った具合で進めます。



いかがでしょうか。
やることがたくさーんあって、もうやる気が失せましたね。分かります 笑
心が折れそうになったらご相談ください。

実は今でも、新しい曲を始める時はいつも「いつになったら弾けるんだろう」なんて思いながら練習してますが、ふと気づくと表示テンポで弾けるようになっています。けっこうびっくりしますよ。

また、この方法だとほとんど無理をしないので手を痛めません。
練習時間も短いので、身体にも負担がかかりませんし、時間が有意義に使えます。
なにより、こういうクドイくらいの練習をすることによって身体にテンポ感が染み付くので、本番の時に緊張してもテンポがぶれにくいです。
本番でありがちな失敗のひとつに、緊張してとてもテンポが上がってしまい、結果指がついていかなくて事故が起こる、ということがありますが、こういった地道な練習はイザという時自分を守ってくれますよ。

まずはほんの短い曲でも良いので、だまされたと思ってやってみてくださーい 笑