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Tzigane

このラヴェル(仏)の恐ろしく難解な曲には、過去に相当苦労させられました。笑 
とにかく「大変なのがきてしまった 滝汗」と思ったのを覚えてます。

Tziganeとはロマ(ジプシー)を意味する仏語。ジプシー風、と言う意味でラヴェルが親しくし尊敬していたハンガリー人の女性ヴァイオリニスト、イェリーによるハンガリーの話にインスピレーションを得て書かれたもの。ラヴェルはハンガリーの話に大変興味を持ち、いくら聞いても飽きること無く、夜が更けてもまだまだ話して、と頼んだそうです。名ヴァイオリニストだったイェリーに敬意を込めて、ヴァイオリンの様々な超絶技巧がちりばめられた曲。ラヴェルが様々な趣向を盛り込むうちに曲の完成が遅れ、イェリーのもとに曲が届いたのはなんと初演の三日前だったと言うエピソードも。

ヴァイオリンパートもですが、ピアノパートも複雑な音で構成されていて「正確な」譜読みには相当時間を割いた記憶があります。(作曲家の先生曰く、ラヴェルは難解そうで実は法則がある、そうですが・・)
実は技巧的には「こりゃムリ!」というところは意外と限られてるんですけどね。。
当時教えてくださってたのはラッキーなことにUDK(ベルリン芸大)のヴァオリン科で専任ピアニストをしていた方でしたが、その方が私が弾く横で目を皿のようにして音間違いをチェックしてくださり、都度、付箋を貼っていってくださったと言う曲。笑 
で、4年経って再び見直したら、さらに2カ所、音間違いが見つかりました・・(その時聞きに来られた方、すみません。平に)

私にとってのこの曲のイメージは「魔女」。
冒頭の3分半に及ぶヴァイオリンソロの部分は魔女の奇怪な魔術やおどろおどろしさを表現しているように聞こえます。曲の開始から3分半後にようやく登場するピアノの鬼のような華麗なる分散和音で魔法に掛けられ、短い単位で変化する曲調によって断片的な奇妙な幻が続き、最後は曲中に登場した様々な妖怪や怪物が一斉に再登場し、動物園のような騒々しさが続いたあと、実は夢でした、チャンチャンって感じです。(←これだけ書いても分かりづらい?)
ツウはもちろん、恐らくクラシック初心者の方が聞いても楽しんでもらえる一曲となると思います。
4月3日公演ではプログラムの最後を飾る曲です。

↓ラストの勢揃い、のところ。「Enjoy!」の文字が悲しい。。笑 
 
写真

ピアニストが最後まで苦しめられます。(私だけ?)

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